HV EV PHV FCV 自動車のパワートレインの違いをざっくり解説

井田康久です!

 

ガソリンやディーゼルなど燃料を動力源とするエンジンが主流だったのは今は昔。
電動車*1の普及率は約4割、1年後にはエンジンを抜くという予測もされています。
電動車と一言で言ってもパワートレイン*2は様々です。
今回は電動車のパワートレインの違いをざっくり解説します!


ハイブリッド車(HV)

英語で Hybrid Vehicle、略して HV と呼ばれます。
ハイブリッドとは「組み合わせる」という意味。
ガソリンなど燃料で動くエンジンと電気で動くモーターを組み合わせた車なのでハイブリッド車と言います。
ハイブリッド車の中でもエンジンが駆動のメインでモーターが補助する方式、エンジンは発電を行いモーターが駆動のメインという方式など様々。
エンジンの発電や回生ブレーキ*3でバッテリーを充電、モーターを動かします。
モーターは燃料を燃やさず二酸化炭素を出さないので、ハイブリッド車二酸化炭素を抑えクリーンかつ燃費も良くなります。


電気自動車(EV)

英語で Electric Vehicle、略して EV と呼ばれます。
ハイブリッド車はエンジンとモーターのハイブリッドでしたが、電気自動車は電気で動くモーターのみ。
充電スタンドや自宅で車載のバッテリーを充電し、モーターを動かします。
燃料を燃やさないので二酸化炭素は発生せずトップクラスの環境性能と言えます。
デメリットは充電に時間がかかることや、充電スタンドがガソリンスタンドのように普及していない点があげられます。
自宅で充電できるようにするにも設備投資が必要となるので、エコカー減税補助金などを踏まえ計算しましょう(ディーラーの補償があるケースや配線の距離など条件によって金額は様々)。
戸建てならいいですが、賃貸マンションの場合は充電設備の設置は難しいかもしれません。
また、航続距離が短く遠出する場合は充電スタンドがあるかどうかの確認が必要です。


プラグインハイブリッド車(PHV)

英語で Plug-in Hybrid Vehicle、略して PHV と呼ばれます。
プラグインハイブリッド車は外部電源から充電ができるハイブリット車です。
充電は電気自動車と同じく充電スタンドや自宅で行います。
メインはバッテリーに充電した電力でモーターを動かすためEV走行をします。
バッテリーの残量が少なくなってきたときにはエンジンが始動しHV走行をします。
あらかじめ充電しておくことでハイブリッド車より燃費がよくクリーン、航続距離が短い電気自動車の不安点をエンジンでカバーできるいいとこ取りな方式といえます。
エンジン、モーター、外部充電できるバッテリーなど搭載しているので車両価格が高い、自宅で充電するには設備投資が必要な点がデメリットです。
エコカー減税補助金、ディーラーの補償などを計算に入れて検討しましょう。


燃料電池車(FCV)

英語で Fuel Cell Vehicle、略して FCV と呼ばれます。
燃料電池車の燃料は水素です。
理科の実験で習った水の電気分解(水に電極を入れ電気を流し水素と酸素に分ける)の逆を行い、水素と酸素から水と電気を取り出します。
取り出した電気をバッテリーに充電、モーターを動かすという仕組みです。
排出されるのは水のみなので究極のエコカーと言われています。
水素と酸素は地球上のいたるところにあるので石油のような枯渇問題もありません。
水素の補充は3分程度、電気の充電のように時間がかからないというメリットもあります。
その水素を補充する水素ステーションが普及していないのがデメリット。
車両価格も高いです。
燃料電池車を市販しているメーカーは世界でトヨタ、ホンダ、ヒュンダイの3社のみ。
手にしやすくなるには燃料電池車と水素ステーションの両方の普及が必要です。

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ホンダのFCV クラリティ FUEL CELL

出典元)クラリティ FUEL CELL|Honda公式サイト



いかがでしたでしょうか?
電動車のパワートレインには様々な方式があり、それぞれ特徴がありました。
エンジンに比べ車両価格は高いですが、より電動車が普及することで手にしやすくなるでしょう。
そのためにもメーカーの努力、インフラの充実を期待しましょう。

*1:ハイブリッド車や電気自動車などモーター駆動する車。

*2:車の動力源や動力をタイヤに伝える装置。ここでは動力源のみを指す。

*3:走行中の車をブレーキで止めることで失われるエネルギーを電気に変換する仕組み