クラッチ不要でエンスト知らず!トルクコンバーターのしくみをざっくり解説!

井田康久です!

 

 

前回はマニュアル車クラッチについて解説しました。
今回はオートマ車はなぜクラッチがなくてエンストしないのかざっくり解説します!

 


クラッチの代わりにあるものは?


クラッチの役割はエンジンからの駆動力をトランスミッションへ伝達したり遮断したりします。
クラッチを切ることで停車時にエンジンの停止を防ぎます。
逆に停車時にクラッチを繋ぐと止まった駆動輪とエンジンが繋がるためエンストしてしまいます。

 

クラッチを解説した前回のブログはこちら↓

 

yasu-cars-bg.hatenablog.com

 

オートマ車にはクラッチがありませんが停車時にエンストすることはありません。
それを実現しているのがトルクコンバーター(トルコン)です。

 


トルコンの役割 ー 流体クラッチ

 

トルコンはクラッチに置き換わるものなので、役割としてはエンジンからの駆動力をトランスミッションへ伝達したり遮断することは同じ。
大きな違いはオイルで駆動力を伝達する点です。

 

扇風機にたとえて解説します。
2台の扇風機を向かい合わせて一方の扇風機Aの電源を入れて回し、他方の扇風機Bへ風を送ります。
すると扇風機Bの羽は風を受け回り出します。
扇風機Aと扇風機Bはつながっていませんが、羽を回す動力が伝わっています。
扇風機の風をオイルに置き換えたのがトルコンです。
扇風機Aがエンジン側、扇風機Bがトランスミッション側になります。

 

 

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出典元)かわいいフリー素材集 いらすとや

 

エンジンからトランスミッションへオイルを介して駆動力が伝達。
駆動力は伝達されますが、エンジンとトランスミッションは完全にはつながっていないので、駆動輪が停止してもエンストすることはありません(オイルをかき回すだけ)。
うまいこと考えますね。

 

このように液体で動力を伝えるものを流体クラッチとよびます。

 

停車時もエンジンは回り続けオイルをかき回しているので、ブレーキを離すと動力がわずかですが伝わり車はゆっくり進みます。
これがクリープ現象です。

 


トルコンの役割 ー トルクの増幅

 

トルコンにも扇風機のようにオイルの流れを受け回転する羽があり、その羽でオイルの流れを誘導しています。
扇風機B(トランスミッション側)を通過した風(オイル)をうまいこと誘導し、扇風機A(エンジン側)の羽に当てることでより回転を強くするということをやっています。
このようにトルコンは回転を強くする、つまりトルクを増幅・変換することをやっているのでトルクコンバーターと呼ばれます。

 

 

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出典元)トルクコンバーターの構造|MotorFan[モーターファン]|ギャラリー

 

 

いかがでしたでしょうか。
オートマ車はトルコンのおかげでクラッチが不要でエンストすることなく簡単に運転ができるんですね。
オートマ車には他にも種類があるのですが、別の機会に解説していく予定です。