ダブルクラッチとは?その操作方法としくみ、メリットについて
井田康久です!
ダブルクラッチを聞いたことがありますか?
ダブルクラッチとはマニュアル車のシフトチェンジの際に行うドライビングテクニックです。
今回はダブルクラッチとはどのような操作なのか?仕組みは?メリットなどをざっくり解説します!
ダブルクラッチに関わる部品の説明
ダブルクラッチ解説の前に関連する部品について説明します。
車はエンジンの動力がタイヤ(ホイール)に伝わることで動きます。
この動力の繋がりをざっくり図解したものが下記になります。
[エンジン]
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[クラッチ]
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|入力軸側
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[トランスミッション]
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|出力軸側
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[タイヤ]
トランスミッションとは変速機のことです。
トランスミッション内にはギア(歯車)があり、エンジンからの動力を受ける側
(入力軸)のギアと、タイヤへ動力を伝える側(出力軸)のギアが噛み合っています。
車の速度に応じてこれらのギアを変えること、つまりシフトチェンジすることで
エンジンのパワーを引き出してタイヤに伝える部品です。
クラッチとはエンジンとトランスミッションの間に位置し、エンジンからの動力を
繋いだり切ったりする部品です。
エンジンとタイヤは繋がっていますが、クラッチを切るおかげでギアを変えることが
できたり、停車時にタイヤが止まってもエンジンが止まること(エンスト)を防ぎます。
ダブルクラッチのメリット
ダブルクラッチをやることで、車のエンジンとギアのつながりをスムーズに変える
ことができます。つまりシフトチェンジをスムーズに行うための操作となります。
シフトダウンする際に効果的です。
走行中の車のギアは高速に回転しています。
スムーズにシフトチェンジが出来ないとギアがなかなか入らないことや、
異音の発生、クラッチを繋いだときにショックが起きることで乗り心地が悪く
なったりします。
エンジンにも負担がかかるので、ダブルクラッチでシフトチェンジをスムーズに行う
ことは車を長く乗ることにも繋がります。
ダブルクラッチの操作方法
ダブルクラッチの操作手順は以下のとおりです。
①クラッチペダルを踏む(クラッチを切る)
②シフトをニュートラルにする
③クラッチペダルを離す(クラッチを繋ぐ)
➃アクセルをひと吹かし
⑤クラッチペダルを踏む(クラッチを切る)
⑥シフトを入れる
⑦クラッチペダルを離す(クラッチを繋ぐ)
シフトチェンジの間にニュートラルに入れクラッチを繋ぎ、アクセルを吹かす操作が入ります。
クラッチを2度踏むのがダブルクラッチと呼ばれる所以です。
ダブルクラッチの仕組み
なぜシフトダウン時にダブルクラッチをすることでスムーズにシフトチェンジができるのでしょうか?
1速から2速、2速から3速とシフトアップするとエンジンの回転数は下がり車の速度が上がります。
つまり入力軸側の回転数は低く、出力軸側の回転が上がる(タイヤが回る)ことで速度が増します。
逆にシフトダウンするとエンジンの回転数が上がり速度は下がります。
つまり入力軸側の回転数は上がり、出力軸側の回転が下がり速度が低下します。
自転車に置き換えるとシフトアップしていくことは自転車の高いギアに該当し、
ペダルは重く漕ぐのはゆっくり(入力軸側の回転数が低下)ですが速度が出ます。
シフトダウンは自転車の低いギアに該当し、ペダルが軽くたくさん漕いでも(回転数上昇)
速度は出ません。
シフトダウンする前は入力軸の回転が低く、速度が出ているので出力軸(タイヤ)の
回転数は高い状態です。
シフトダウンためにクラッチを切りギアを変えるのですが、先に書いたとおり入力軸側と
出力軸側のギアの回転数が大きく違う状態です。
ギアは高速に回転している歯車です。回転数が違うギアがうまく噛み合わないのは
想像できると思います。無理やりギアを繋ぐと異音やショックが起きたり、エンジンに
負荷がかかってしまいます。
そこで登場するのがダブルクラッチです。
操作手順②〜➃でシフトをニュートラルに入れてクラッチを繋ぎアクセルを踏むことで、
入力軸側の回転数が上がります。よって入力軸と出力軸のギアの回転数が揃いスムーズに
ギアを繋ぐことができるようになります。
※ニュートラルではトランスミッション内のギアは繋がってなく、操作手順➃のアクセル
ひと吹かしは出力軸には伝わりません
出典元)Unsplashの無料グレー写真
いかがでしたでしょうか?
現在のマニュアル車にはギアの回転数を揃え、スムーズなシフトチェンジを行うための機構
シンクロナイザーがあるのでダブルクラッチは不要と言われています。
一方、シンクロナイザーも傷むためダブルクラッチを推奨する意見もあります。
世に出回っているほとんどがオートマ車の中、マニュアルを選択する車好きはシフト操作を
楽しんでいる人が多いと思います。
ダブルクラッチをマスターして気持ちいいシフトチェンジを楽しむのもいいのではないでしょうか。