自動運転レベル4解禁!道路交通法がどのように変わったのか?

井田康久です!

 

2023年5月21日に全国初となる自動運転レベル4の移動サービスが始まったとニュースが流れました。
自動運転レベル4は "特定の場所や条件下ですべての運転操作が完全自動化" となる自動運転システムです。
他の自動運転レベルについては過去のブログに書いたので、気になる方は読んでみてください。

yasu-cars-bg.hatenablog.com

 

この自動運転レベル4からは事故を起こした場合、責任を問われるのがドライバーではなく自動運転システムを作成した自動車メーカーになります。
そのためレベル4はハードルが高いと言われていました。

レベル4のサービス開始を前進させたのが2023年4月に行われた道路交通法の改正です。
今回はどのような改正が行われレベル4のサービスが開始できるようになったのかざっくり解説します。

 

道路交通法改正により新たな交通の分類に「特定自動運行」が定義されました。

 

特定自動運行とは

  • 緊急時に自動で安全に停止することが可能
  • 車内にドライバーが存在しない自動運転による運行

一定条件下において全自動運転をおこなう自動運転レベル4を想定した定義ですね。

 

この特定自動運行は許可制で、許可を受けた場合の遵守事項も整備されました。

 

特定自動運行の許可制度と許可受けた場合の遵守事項

  • レベル4に相当する自動運転を行うには、運行エリアの都道府県公安委員会の許可が必要
  • 遠隔監視装置の設置
  • 遠隔監視を行う者(特定自動運行主任者)の配置
  • 特定自動運行主任者に対する教育

特定自動運行主任者は交通事故発生時の措置(消防機関に通報、警察への報告など)が義務付けられます。

 

現時点では限定地域での無人自動運転移動サービス(レベル4)ですが、
2026年度以降は "全国各地で高齢者等が自由に移動できる社会" というロードマップが
描かれています。

 

今回の法改正は「遠隔操作型小型車」も定義されました。
これは自動配送ロボット、一人乗りの自律走行可能な車いすなどを想定しています。

以上のようにレベル4が明確に制度化されたことでタクシーや運送業での導入が広がり、
自動車やロボットのメーカーによる開発が大きく前進すると思われます。

個人が購入可能な自動車についてはまだ先になりそうですが、着実に近づいているようです。