そんな開き方するの?自動車の変わったドア5種類をご紹介!
井田康久です!
前回、前々回とガルウィングドアやシザーズドアなど、上方向に開くドアについて書きました。
※ガルウィングドア:ドアが真横から上方向に開くドア。ドアを開いた形がカモメ(ガル)が翼をひろげているような姿なのでガルウィングと言われる。メルセデス・ベンツ「300SL」「SLS AMG」などスーパーカーに採用される。
※シザーズドア:ハサミのように上方向に開くドア。同じく上方向に開くガルウィングドアと一緒くたにされガルウィングと呼ばれたりしていることが多々あり。シザーズドアをガルウィングと言っている人に「あれはシザーズドアですよ」と説明すればプチ自慢ができるかもしれない。ただし言い方を考えないと嫌われるかもしれないので要注意。ランボルギーニに採用されることが多い。
以前のブログはこちら↓
今回は上方向に開く以外の少数派なドアをご紹介します!
コーチドア(観音開き)
超高級車のロールスロイスはSUVの「カリナン」も含め、4ドアモデルはすべてコーチドアです。
コーチドアとは仏壇のように開く観音開きのドアのことで、前後2枚のドアの中央から左右両側へ開きます。
※SUV:スポーツ・ユーティリティー・ビークル(Sport Utility Vehicle)の略。悪路走行向けのクロスカントリー車から、デザインはクロスカントリー風を保ちつつ街乗り中心で使用する乗用車ベースのクロスオーバーSUVまで、はっきりした定義はなく分類もさまざま。クロスカントリー車をサーファーとしたら、クロスオーバーSUVは丘サーファーといったところか。
出典元)ロールス・ロイス ファントム|Rolls-Royce Motor Cars Yokohama
ロールスロイスがコーチドアを採用する理由はリアシートに乗っている人の所作が美しく見え、優雅な振舞いで降りる事ができるように配慮しているからだそうです。
さすがロールスロイス。
かつて国産車にも観音開きドアは採用されていて、マツダ「RX-8」、ホンダ「エレメント」、トヨタ「FJクルーザー」などがあります。
この3モデルはどれもピラーレスで、乗り降りのしやすさ、ドアを開けたときの開放感がメリット。
※ピラーレス:ピラーは柱のこと。一般的にはある前後のドアの間にある柱が無いものをピラーレスという。
ピラーレスのデメリットはドアを開閉する順序があることでしょうか。
リアドアを開けるにはフロントドアを開ける必要があり、フロントドアを閉じる前にリアドアを閉じる必要があります。
フロントドアが閉まっている状態でリアドアを勢いよく閉じたら、ドアがぶつかり悲惨な目にあいます...
出典元)トヨタ FJクルーザー 入庫 | 4WD SHOP タイガーオート
スーサイドドア
ロールスロイスの4ドアは観音開きでした。
2ドアの場合は観音開きのリアドアと同じくヒンジは後方で、前方が開くドアになっています!
※ヒンジ:扉でいうところのちょうつがい
出典元)ロールス・ロイス・レイス ブラックバッジ(FR/8AT)【海外試乗記】 若き成功者たちへ - webCG
足元が広く取れるのがメリットで、観音開きのリアドアと同様に美しく優雅に乗り降りができるのでしょう。
他社との差別化という点も大きいように感じますね。
このスーサイドドアは国産車に採用されていたことがありスバル「360」「サンバー(初代、2代目)」が前開きでした。
出典元)「昭和のくるま大集合 2019」の会場から ビジュアル35枚 【画像・写真】 - webCG
スーサイドドアを訳すると自殺扉という物騒な名前。
なにかの拍子でドアが開いてしまったとき、前開きだと風圧でドアがもっていかれるのでドアを閉められない、最悪ドアがもげる、開いたドアに歩行者がぶつかる、、、
などなどとにかく危ないのでスーサイドドアと名付けられた、という説があります。
採用例が少ないのは納得ですね。
ファルコンウィングドア
スーパーカーではなく4ドアで、リアドアがガルウィングのように開く珍しいモデルがあります。
それが電気自動車のテスラ「Model X」。
テスラではカモメの翼(ガルウィング)ではなくハヤブサの翼、ファルコンウィングドアと呼んでいます。
ルーフのヒンジに加え翼の折れ曲がる部分にもヒンジがあり、ドアの開閉時に横に張り出さない工夫がされています。
開いたドアが雨の日の雨よけになるのも魅力。
出典元)Model X | Tesla
キャノピー
キャノピーとは戦闘機のコックピットを覆う透明な天蓋をいいます。
これですね↓
出典元)O-DAN(オーダン)ー 無料写真素材・フリーフォト検索
市販車としての採用例は少なく、コンセプトカー止まりがほとんど。
インパクトはすごいですがキャノピーを開けた途端、エアコンで冷ました車内が、エアコンで暖めた車内が、一気に外気温と同じにされそうですね!
※コンセプトカー:自動車メーカーが展示目的で製作した自動車のこと。デザイン優先であまり現実的ではないもの、未来の夢を語るもの、自動車メーカーの「この方向でいく!」というアピールなど目的はさまざま。そのまま市販されるものはないが、近い形で量産されるものもあり。
出典元)6モーター1305馬力 市販EV!テックルールズ「レン」公開 - New Car/新型車ニュース&動画/車好きの勝手な妄想
車体前面ドア
車体の前面がまるで冷蔵庫のように開くドアも存在します。
それがイタリアのイソ社が本家で、BMWがライセンス生産をした「イセッタ」です。
※ライセンス生産:他の企業が開発した製品を、別の企業が許可料(ライセンス料、ロイヤリティ)を支払ってその製品を生産する事
この車をBMWが生産していたことも面白いですね。
出典元)O-DAN(オーダン)ー 無料写真素材・フリーフォト検索
ドアを開くとこんなふうに、こちらを向いたシートとハンドルがこんにちは。
出典元)O-DAN(オーダン)ー 無料写真素材・フリーフォト検索
出典元)O-DAN(オーダン)ー 無料写真素材・フリーフォト検索
いかがでしたでしょうか。
調べれば量産車でもまだ紹介できていないドアが出てくると思います。
コンセプトカーも含めればさらに面白いドアが見つかるでしょう。
今後どんなドアが出てくるのでしょうか?
デザインだけでなく実用性も兼ねたドアは発明されるのでしょうか?
今後の車がどうなっていくのか楽しみですね。